2024年10月~2025年9月講義予定

(第30期広島精神分析セミナー予定表)

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2024年10月~2025年9月広島精神分析セミナー 年間予定表
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【広島精神分析セミナーの日程】
2024年
①   10月20日…衣笠隆幸先生
(日本精神分析協会元会長、広島精神分析医療クリニック院長)
②   12月22日…飛谷渉先生(大阪教育大学保健センター教授)
2025年
③   1月19日…浅田護先生(浅田心療クリニック院長)
④   2月9日…皆川英明先生(
広島市精神保健福祉センター前所長、紙屋町こころのクリニック院長)
⑤   3月16日…福本修先生(日本精神分析学会元会長、長谷川病院、きしろメンタルクリニック、代官山心理・分析オフィス)
⑥ 4月13日…小林俊三先生(小林メンタルクリニック院長)
⑦   5月18日…権成鉉先生(クリニックソフィア院長)
⑧   6月22日…阿比野先生(ロンドン医療センター精神科部長、タヴィストッククリニック講師)
⑨   8月24日…河野恵理先生(こうの脳神経外科クリニック副院長 精神科心療内科)
⑩   9月21日…木部則雄先生
(こども・思春期メンタルクリニック、白百合女子大学教授)

2023年10月~2024年9月講義予定

(第29期広島精神分析セミナー予定表)

日程 講師 テーマ 内容
2023 10/8(日)

衣笠 隆幸先生

(日本精神分析協会元会長、

広島精神分析医療クリニック院長)

『夢理論』

『治療技法』

夢の解釈は、精神分析の原点であり、自由連想と合わせて中核的な視点です。セミナーでは

フロイトからクライン派への継承を論じます。

 治療技法についても、フロイトからクライン学派への展開を論じます。
12/17(日)

小川 豊昭先生

(名古屋大学大学院精神病理学・

精神療法学特任教授)

『アセスメント 治療経過』

『ベティ・ジョジェフ』
シュタイナー先生のアセスメント面接に陪席した時の体験は、なかなか強烈でした。一人目の若い女性は、不安発作の訴えでした。先生はすぐに彼女の服装をとらえて、「お葬式の様だ。人生がもう終わると思っているのでは。」「子供のころから無理に大人になろうとしたからでは。」と続けて解釈しました。彼女は、「仕事で評価されて出世したと思ったとたんに降格させられたと述べました」が、先生は、彼女の最早期の記憶、「棒に上っていて、それが折れて落ちた」と結びつけてすぐに解釈しました。彼女は、シュタイナー先生に深く理解されたと感じたようでした。すなわちアセスメントは、Here and nowで何が生じているか、どうとらえて伝えるかが重要なのがわかります。当日は、皆さん自身の経験や臨床経験を積極的に話してください。そこから理解を共有できるように広げていきたいと思います。

2024

1/21(日)

 

福本 修先生

(日本精神分析学会前会長、長谷川病院、きしろメンタルクリニック、

代官山心理・分析オフィス
 

『転移と逆転移』

『ビオン理論と臨床』
「転移と逆転移」については、クライン派ではクラインの「投影同一化」概念を主軸として研究されてきている。ビオンはその発展として「容器と内容」の関係性を抽出したが、その場でよりも振り返りで有用な印象がある。ビオンの理論の応用展開は、さまざまな学派からなされているので、その一端を紹介したい。 
2/18(日)  

浅田 護先生

(浅田心療クリニック院長)
 

『超自我論』

『躁うつ病の分析理論』
 午前は、1923年に構造論モデルの中で明確に位置付けられた超自我概念に至るFreudの超自我論の足取りをたどり、その後のKlein及びポストKlein派における超自我論に触れる。午後は、Abraham、及びKleinの躁うつ病の分析理論を紹介したい。
3/24(日)  

小波蔵 かおる先生

(ひいらぎクリニック)
『自由連想と治療構造』、『クライン』   実際の分析設定と、そこで自由連想を通して、どんなことが展開しているのかということについてお話しできればと思います。また、メラニー・クラインについては、その人生と精神分析実践について、お話しできればと思います。
4/21(日)  

小林 俊三先生

(小林メンタルクリニック院長)
 

『エディプスコンプレクス』

『精神病の分析研究』
 前半は、フロイトによるエディプス・コンプレックスの発見が夢見によってなされたことの意義を再考し、このコンプレックスが思考装置の本質すなわち脊椎を形成する意味を多角的に検討します。後半は、こうしたエディプス三角の形成不能が精神病の理解に貢献してきた歴史を振り返り、ビオンの精神病理解に近づきたいと思います。
5/19()  木部 則雄先生(こども・思春期メンタルクリニック、白百合女子大学教授)  

『クラインとウィニコットの解釈と技法の相違』

『こどもの精神病理』
 本講義では、こどもの代表的な精神分析家であるクラインとウィニコットの理論と技法の相違に関して論じる。これに基づいて、後半の現代のこどもの精神病理について論じることで、その技法等について論考する。
6/30(日)  

阿比野 宏先生

(ロンドン医療センター精神科部長

タヴィストッククリニック講師)
 

特別講演

16:00~2030

(2H症例検討)
 このたび広島でご講演いただけることになりました。現在、英国精神分析協会 精神分析家、英国王立医師会、英国王立精神科医師会精神科精神療法専門医、タヴィストッククリニック講師、ロンドン医療センター精神科部長としてご活躍されております。精神分析の本場英国の第一線でご活躍されている先生のご講演ならびにケースの理解について触れることのできるまたとない機会になっております。
7/21(日)  飛谷 渉先生
(大阪教育大学保健センター准教授
 

『エンアクトメント』

『思春期の病理』
 午前は、現代クライン派における『エンアクトメント』という概念について解説します。対象関係における病理的平衡が維持されがちな困難な患者との精神分析治療では、転移と逆転意とがある種の共謀関係を構築しやすく、気づき難い行き詰まりへと至ることがあります。そうした転移と逆転移とが絡み合った行き詰まりには多くの場合、治療者が自ら逆転移的没入に気づき、そこから浮上することが転機をもたらします。午後の講義では、『思春期の病理』 と題して、最近の Z 世代と呼ばれるデジタル・ネイティブ、SNSネイティブの若者たちの心のあり方についての仮説を提示します。また、そこから導かれる治療のあり方を考察します。特にビオンのプロト・メンタル・システムをもとに心の皮膚を再概念化し、思春期における心の脱皮プロセスを解説します。さらに心の脱皮過程が停止しがちな現代の思春期において、心が生きていない状態に陥りがちであることと最近の発達障害の増加との関連について考察します。
9/29(日) 皆川 英明先生(紙屋町こころのクリニック院長、広島市精神保健福祉センター前所長)  『防衛機制、原始的防衛』
『ポジション』
 前半では投影性同一視を中心と原始的防衛機制について解説します。また後半のポジション論では、Kleinが提唱した妄想分裂ポジションや抑うつポジションを復習した上で、第3のポジションである心的退避についてご紹介します。

2022年度講義予定

(第28期広島精神分析セミナー予定表)

日程 講師 テーマ 内容
2022 10/2(日)

小川 豊昭先生

(名古屋大学大学院精神病理学・

精神療法学特任教授)

『夢とHere and now

夢は、無意識への王道と言われています。フロイトの夢判断を見るとそれはよくわかります。しかし、現在の分析では要素連想をして夢の解釈をするということは、あまりなされていないように思います。夢をいくら解釈しても今の自分とは関係のない、客観的な対象として扱われてしまうからです。

しかし、夢をよく見ていくとそれが今この瞬間の治療関係を端的に表していることがわかります。私は、分析の中で夢をHere and now の治療関係を直接表現しているものとして、示し、それをどのように取り扱うことで分析を深めることができるかを示したいと思います。
11/20(日)

飛谷 渉先生

(大阪教育大学保健センター准教授)

『思春期の病理』

『新しい思春期:デジタルネイティヴと心の生命』
思春期は心身の変化の時であり、その時期に至ると子どもも周囲の大人も混乱する。摂食障害や精神病などの精神疾患が初発しやすいのもこの時期である。また、思春期には社会化という課題があるが、それが困難となる子どもたちがいる。そうした子どもたちは不登校や非行をはじめとした行動の問題を生じ不適応となる。しかしながら、彼らと向き合う臨床家は、彼らが精神療法に定着しにくく、甚だ治療設定を維持しがたいことを知っている。今回の講義では、摂食障害やヒステリー性疾患など思春期に生じる特有の病理について解説するとともに、発達障害が急増している最近の思春期において何が生じているのか、デジタル・ネイティブ世代と呼ばれる最近の子どもたちの思春期は以前とどのように異なっているのか、など『新しい思春期』について考え、近寄りがたい彼らへの精神療法的接近の可能性について考えたい。
12/18(日)

浅田 護先生

(浅田心療クリニック院長)

『羨望』

『シュタイナー』

Steiner,J.は、Freud時代に始まる陰性治療反応や防衛組織の研究を引き継ぐRosenfeldの「自己愛構造体」を、さらに精緻化体系化し「病理的組織化」という重症例の治療では必須の臨床概念を提出した。その基盤には羨望が大きな要因として働いている。

2023

1/29(日)
 福本 修先生

(日本精神分析学会前会長、

代官山心理・分析オフィス)
 

『ビオン理論の特徴』

『無意識的幻想』
 前半では、ビオンの理論的考察とセミナーや自伝を参照して、Kに対する現代的な意味を考察したい。後半は、クラインとクライン派の基本的な理解を解説する。
 3/26(日)  

木部 則雄先生

          (こども・思春期メンタルクリニック、

白百合女子大学教授)

   

 

『自閉症―メルツァーから

タスティン、アルヴェレツ

まで』、『付着同一化』
 自閉症に関する精神分析はクラインのディックから始まり、その臨床はメルツァーに受け継がれた。こうした古典的な精神分析技法から、タスティン、アルヴェレツに至る臨床実践の変貌を講じる。また、こうした過程で付着同一化という重要な概念も見出されたことを講じる。
 2/26(日)

衣笠 隆幸先生

(日本精神分析協会

元会長、

広島精神分析医療クリニック院長)
 

『アブラハムとクライン』

『エディプス』
 午前は、Abraham,K. の研究の紹介。FroudKlein,M.との関連性を解説したい。午後は、エディプスコンプレックスの歴史的変遷について FreudからKleinへの視点の変更などについて解説したい。
 4/23(日)  小林 俊三先生
(小林メンタルクリニック院長)
 
 

『ローゼンフェルド』

『投影性同一視』
 ローゼンフェルドの波乱に満ちた生涯を振り返りながら、クラインとの合作と言われている投影性同一視の概念について現代的観点から検証します。また、コンテイニング理論や治療作用の観点からも検討したいと思います。
 5/28()  

小波蔵 かおる先生

(ひいらぎクリニック)
 『ポジション』
『不安と防衛機制』
 まず、メラニー・クラインがどのようにして抑うつポジション、妄想分裂ポジションを発見したのかを説明します。そして抑うつ不安及び迫害不安、さらに深刻な破滅解体不安に対して、どのような防衛機制(原始的防衛機制)が働くかを概観できればと思います。
 6/25()

 阿比野 宏先生

ロンドン医療センター精神科部長

タヴィストッククリニック講師

 

特別講演1700

20:00または21:00
 このたび広島でご講演いただけることになりました。現在、英国精神分析協会 精神分析家、英国王立医師会、英国王立精神科医師会精神科精神療法専門医、タヴィストッククリニック講師、ロンドン医療センター精神科部長としてご活躍されております。精神分析の本場英国の第一線でご活躍されている先生のご講演ならびにケースの理解について触れることのできるまたとない機会になっております。
 7/23(日)  

皆川 英明先生

・紙屋町こころのクリニック院長
 

『ブリットン』

『内的対象』
 「内的対象」は自我の内部に身体的に布置された具象的対象についての無意識的経験や幻想を表しており、クラインのもっとも重要な発見のひとつである。ハイマンをはじめ多くの研究者がこの概念の明確化を試みてきた。ブリトンは、それまでいささか棚上げされていた感のあった超自我と内的対象との関係を明確に定義した。その他にもブリトンは、自我、エディプスコンプレックス、ヒステリー、自己愛などの諸概念をより精緻に練り上げた。当日はこれら諸概念の発展をブリトンの業績を中心にふり返ってみる。
9/24(日)

権 成鉉先生

クリニックソフィア院長

『米国対象関係論』

『発達論』

米国の対象関係論は、英国のそれを自我心理学的視点から見直したといえます。その相違点を議論できたらと思います。

2021年度講義予定

(第27期広島精神分析セミナー予定表)

日程 講師 テーマ 内容
202110月

衣笠 隆幸先生

日本精神分析協会元会長、広島精神分析医療クリニック院長

『内的対象』

『ねずみ男』
内的対象の概念は、クラインが 1920年代に提唱し、内的世界の構築に関しての重要性を述べている。そして後に、防衛組織の形成や病理的パーソナリティーの形勢過程において、重要な概念となっている。その経過と歴史について、Freudの基礎的考察も含めて述べてみたい。後半は、本年度はフロイトの入門を中心に行なう。今回は、フロイトの「ねずみ男」について、症例の紹介、後の研究について紹介したい。
202111

福本 修先生

日本精神分析学会前会長、

代官山心理・分析オフィス

『無意識』

『夢解釈』
フロイトの初期の著作を読むことになるが、その内容とともに、成立前後の経緯を含めて紹介したい。
202112

吾妻 壮先生

上智大学総合人間科学部教授

対人関係学派入門

本講演では、対人関係学派の貢献についてお話しします。その歴史的位置づけ、自我心理学派をはじめとする他学派との関係、現代の関係論につながる流れ、自己心理学派などの隣接学派との異同、現代的意義、などについてお話しします。
 2022年1  木部 則雄先生      こども・思春期メンタルクリニック、白百合女子大学教授  『心的構造論』『ハンス』  「心的構造論」について、その発達としてのクライン派の子どもの心的発達、愛着などの観点から論じる。ハンスに関しては、子どもの精神分析における親の役割を中心に論じる。
 2022年2  

浅田 護先生

浅田心療クリニック院長
 『治療経過』『終わりある分析と終わりなき分析』  午前は、精神分析における治療のプロセスすなわち治療的変化はどのように展開するのかについて述べ、午後は、フロイトが、精神分析の限界について触れた最晩年の技法論文「終わりある分析と終わりなき分析」について講義します。     
 2022年3  

皆川 英明先生

広島市精神保健福祉センター所長
 『狼男』『超自我の展開』  午前は「フロイトの症例の中でもっとも精緻でもっとも重要(ストレイチー)」とされている狼男の症例について解説します。午後は超自我理論の展開について、フロイトやクラインによる基本的な見解とその異同 ならびに現代クライン派に至る発展まで概説します。
 20224  

飛谷 渉先生

大阪教育大学保健センター准教授
 『ナルシズム論の展開』『ダ・ビンチ』  フロイトのナルシシズムへの関心の起源は性倒錯研究に遡る。概念化の水脈はその後、二つの潮流へと分岐した。一方は、リビドー論(「ナルシシズム入門1914」)であり、もう一方は同一化論(「ダ・ヴィンチ1910」)である。二つの潮流はエディプス・コンプレックスによってつながり、超自我概念によって再結合した。こうしたフロイトの理論的展開は、後のクライン派における羨望概念、投影同一化概念を経てローゼンフェルドの破壊的ナルシシズムという臨床概念へと至る。本講では、特にフロイトの「ダ・ヴィンチ」を起点とするナルシシズム概念の展開を、フロイト・クライン・ローゼンフェルドという分析家に焦点を当てつつ跡づけてみたい。さらに今日の臨床におけるその意義について吟味する。
 2022年5  

平井 正三先生

御池心理療法センター

代表

 『メルツアー入門』『ドラ』  前半は、ドナルド・メルツアーの理論を紹介する。後半は、フロイトの症例ドラを概観しながら、そこでみられるフロイトの考えをメルツアーの理論と関連付けて検討していきたい。
 2022年7

 阿比野 宏先生

ロンドン医療センター精神科部長

タヴィストッククリニック講師

 

特別講演1700

20:00または21:00
 このたび広島でご講演いただけることになりました。現在、英国精神分析協会 精神分析家、英国王立医師会、英国王立精神科医師会精神科精神療法専門医、タヴィストッククリニック講師、ロンドン医療センター精神科部長としてご活躍されております。精神分析の本場英国の第一線でご活躍されている先生のご講演ならびにケースの理解について触れることのできるまたとない機会になっております。
 2022年8  

小林俊三先生

小林メンタルクリニック院長
 『本能論の展開』『超自我形成』  フロイトの第2欲動論以降の展開と,議論の多い「死の欲動」論について現代的な観点から概説します。また,それと密接に関わる超自我形成について現代クライン派の観点から考察します。
2022年9

権 成鉉先生

クリニックソフィア院長

『自我心理学  エディプス葛藤』『自我とイド』

フロイトはフリーフ体験からエディプス葛藤を見いだしたのは周知のことですが,精神分析の中核的概念です。自我心理学の現在との関係,また他の学派のそれも考えたいと思います。心的構造論を概説することで,自我とイドの問題にも言及します

2020年度講義予定

(第26期広島精神分析セミナー予定表)

日程 講師 テーマ 内容

2020/10

衣笠 隆幸

先生

(日本精神分析協会前会長、広島精神分析医療クリニック院長)

 

10:00~12:20講義『自由連想と中立性』

13:20~15:40講義『クライン入門』

 

自由連想と中立性は、精神分析療法の中心的技法の一つである。その歴史の流れと、現代における臨床的意義を解説します。          午後のクライン入門は、現在の早期対象関係の重要性を発見し、発展させたクラインとその後継者達の臨床研究を解説します。

2020/11

皆川 英明

先生

(広島市精神保健福祉センター所長)

10:00~12:20講義 『不安と防衛』

13:20~15:40講義『うつ病』

午前は不安と防衛についてフロイトの前期、後期、そしてクラインへと至る流れを振り返ります。午後は「うつ」の理解を上記二人にアブラハムの考えを加えて解説します。

2020/12

阿比野 宏

先生

(ロンドン医療センター精神科部長、タヴィストッククリニック講師)

10:00~15:40 特別講演

このたび広島でご講演いただけることになりました。現在、英国精神分析協会 精神分析家、英国王立医師会、英国王立精神科医師会精神科精神療法専門医、タヴィストッククリニック講師、ロンドン医療センター精神科部長としてご活躍されております。精神分析の本場英国の第一線でご活躍されている先生のご講演ならびにケースの理解について触れることのできるまたとない機会になっております。

2021/1

木部 則雄

先生

(こども・思春期メンタルクリニック、白百合女子大学教授)

10:00~12:20講義 『夢理論の発展』

13:20~15:40講義 『ポジション論』

「夢理論の発展」:夢に関しては、多くの理論的、技法的な議論があるが、子どもの夢についての議論は少なく、ここでは子どもの夢を中心に議論を展開する。「ポジション論」:クラインはポジションについて、子どもの精神分析の臨床実践から、その理論構成を為した。ここでは、子どもの臨床素材から、ポジション論の臨床実践の素材によって、立証し概観する。

2021/2

浅田 護先生

(浅田病院院長)

10:00~12:20講義 『転移と逆転移』

13:20~15:40講義 『精神病』

Freudは精神病は精神分析の対象ではないと述べたが、終生、その可能性に関心を抱いていた。Kleinによる投影性同一化の発見以降、精神病水準の対象関係の動きの理解が可能になり、Kleinの影響を受けて精神病の治療の道を切り開いたのがRosenfeldとBionである。その後、この視点は現在の英国クライン派の中でさらに精緻化され重症パーソナリティの治療論として発展している。転移逆転移の問題もこうした文脈で論じたい。

2021/4

権 成鉉先生

(クリニックソフィア院長)

 

10:00~12:20講義『アセスメント』

13:20~15:40講義『力動精神医学とギャバード』

 

アセスメントを力動精神医学を基に学びます。そのために米国のギャバードの考え方は有用です。
2021/5

福本 修先生

(日本精神分析学会会長、恵泉女学園大学教授、代官山心理・分析オフィス)

 

10:00~12:20講義『エンアクトメント』

13:20~15:40講義『ローゼンフェルド』

 

ローゼンフェルドは、クラインから直接指導を受けた現代クライン派の源流の一人であるとともに、患者からのコミュニケーション・外傷の問題・治療関係など現代に通じる主題を論じています。エナクトメントenactmentは、セッションの中で患者の内的対象関係に治療者もまた動かされることを指します。英米でその含みは異なりますが、主にクライン派における諸様相についてお話します。
2021/7

飛谷 渉先生

(大阪教育大学保健センター准教授)

 

10:00~12:20講義『クライン派の発達理論』

13:20~15:40講義『原始的防衛機制とその病理:ナルシシズムと自閉状態』

 

『発達論』:本講ではクライン派の心的発達論について、内的対象の発達という観点から概観する。特にクライン自身の抑うつポジション概念の理論的臨床的意義について検討するとともに、母親の身体内部をめぐる早期エディプス空想がいかに心の生成に直結しているかについて解説する。『原始的防衛』:クライン派における原始的防衛概念には、二方向の理論的基軸があることを理解することでその全貌を有機的に捉えることができる。一つは「無意識的空想(投影性同一視)」をもとにした自己愛的組織化理論(ローゼンフェルド)からのアプローチであり、もう一つはビオンとその後継者によりアルファ機能(投影同一化とコンテインメント)とその破綻の探求といった「意識の再概念化」からのアプローチである。本講では、ナルシシズムと自閉症という病理をより微視的に探究し、これら二つの基軸がいかに有機的に結びついているのかを示したい。
2021/8

藤山 直樹

先生

(元上智大学教授、個人開業)

 

10:00~12:20講義 『洞察・ワークスルー』

13:20~15:40講義 『オグデンの技法』

 

患者の洞察と心的変化がどう関係するかはさまざまな議論がある。またフロイトが変化が単純に一回では起きないことに気付いて、ワークスルーという概念を生み出したところから、現代の技法論は始まったともいえる。 オグデンは、ウィニコットとビオンの影響のもとに、夢見ること、分析的第三者という概念をもとに技法を再概念化した。
2021/9

小川 豊昭

先生

(名古屋大学大学院精神病理学・精神療法学教授)

 

10:00~12:20講義 『解釈の歴史と発展』

13:20~15:40講義『病理的組織化』

 

フロイトの夢解釈では、夢は象形文字のように構成されていてそこでは圧縮と置き換えが言語のメタファー、メトニミーとして機能している。そのような言語構造としての夢解釈から出発して、転移解釈へ至り、そこからさらに対象関係の投影同一視の解釈へと発展してきている。現代では、さらにHere and nowにおける投影性同一視による分析家の無意識への圧力を解釈するに至っている。病理的組織化は、ナルシシズムの研究から発展した概念である。ローゼンフェルド、シュタイナー、ジョセフらによってその理解が深まった。現代の誇大な万能感に浸るゲームの世界が、この病理を普遍的なものにしている。そこから、引きこもりやナショナリズムなどの出現が理解できる。

 

2019年度講義予定

(第25期広島精神分析セミナー予定表)

日程 講師 テーマ 内容

2019/4

皆川 英明

先生

(広島市精神保健福祉センター所長)

 

10:00~14:40講義 『精神分析入門-フロイトの夢解釈と クラインのプレイセラピーを 中心に-』

14:40~15:40症例検討

フロイトの夢解釈とクラインのプレイ技法に焦点を当て、精神分析の礎がいかに築かれたのか振り返って解説します。

2019/5

権 成鉉先生

(クリニックソフィア院長)

10:00~12:20講義『境界例』

13:20~14:40講義 『フロイト-集団心理学-』

14:40~15:40症例検討

境界例の防衛と全体としての集団内における個人の防衛は類似しています。集団についてはビオンの理論にも触れる予定です。
2019/6

阿比野 宏 先生

(ロンドン医療センター精神科部長、 タヴィストッククリニック講師)

10:00~15:00 特別講演 このたび広島でご講演いただけることになりました。現在、英国精神分析協会 精神分析家、英国王立医師会、英国王立精神科医師会精神科精神療法専門医、タヴィストッククリニック講師、ロンドン医療センター精神科部長としてご活躍されております。精神分析の本場英国の第一線でご活躍されている先生のご講演ならびにケースの理解について触れることのできるまたとない機会になっております。
2019/7

岡田 暁宜

先生

(名古屋工業大学保健センター教授)

10:00~12:20講義『現代の自我心理学』

13:20~14:40講義『フロイト-自我とイド-』

14:40~15:40症例検討

近年、精神分析において、欲動論や自我心理学などは、主流とはいえないかも知れない。それらは、精神分析の歴史の一部かも知れないが、「生きた歴史」といえるだろう。前半には、A・フロイト以降の米国自我心理学について概説し、後半は、S・フロイトの論文から、精神分析における、自我とイドについて参加者とともに検討する。
2019/8

藤山 直樹

先生

(上智大学教授、個人開業)

10:00~12:20講義 『パーソナリティ障害』

13:20~14:40講義『フロイト -ラットマン-』

14:40~15:40症例検討

パーソナリティ障害という精神医学の概念と、精神分析とはどのようなところでリンクするのだろうか。精神分析はすべてパーソナリティ全体を相手にするタイプの臨床であるが、記述的診断で「パーソナリティ障害」とされる個人が精神分析や精神分析的精神療法の適応となることは実はそれほど多くない。こうした現実から出発して、精神分析的な発想がパーソナリティ障害治療にどのように結びつくか考える。 後半は、ラットマンの論文を少なくとも日本語では読んでいることを前提に、その現在の意義を考える。

2019/9

小川 豊昭

先生

(名古屋大学総合保健体育科学センター教授)

10:00~12:20講義 『治療目標』

13:20~14:40講義『フロイト-終わりなき分析-』

14:40~15:40症例検討

精神分析の目標は、理論の進化とともに大きく変化してきた。特に投影されたものの再統合と喪の作業の重要性が注目されている。エディプス的恨みがその過程を妨害する。またフロイトの終わりなき分析は、分析が到達できる限界について、考えるうえで重要である。現代クライニアンは、かつての限界を超える試みを行っている。

2019/11

飛谷 渉先生

(大阪教育大学保健センター准教授)

10:00~12:20講義 『思春期の病理』

13:20~14:40講義『フロイト -ドラ-』

14:40~15:40症例検討

Bickの心的皮膚概念、Meltzerの思春期論、Bionのアルファ機能論をもとに思春期の包括的理解を試みるとともに、思春期の病理現象とし「ヒステリー」をとりあげ、その現代的意義について考えてみたい。

2019/12

福本 修先生

(日本精神分析学会会長、恵泉女学園大学教授、代官山心理・分析オフィス)

10:00~12:20講義『精神病の理論と治療』

13:20~14:40講義『フロイト -シュレーバー症例-』

14:40~15:40症例検討

精神分析の領域では、自閉スペクトラムの問題に紛れて精神病への関心は薄れているかもしれない。本講ではフロイトのシュレーバー症例の言語分析から、シーガル・ローゼンフェルド・ビオンを経てルーカス・ベルらの現代的議論を紹介したい。

2020/1

小川 豊昭

先生

(名古屋大学総合保健体育科学センター教授)

10:00~14:40講義 『治療目標、フロイトー終わりなき分析』

14:40~15:40症例検討

午前は、「治療構造」「自由連想」という、精神分析における治療者患者間の交流を抱える容器としての外的設定、内的設定について、午後は、フロイトの成熟の時期に当たる1910年代の二大著作である「自己愛入門」と「悲哀とメランコリー」について講義したい。

2020/2

衣笠 隆幸

先生

(日本精神分析協会前会長、広島精神分析医療クリニック院長)

10:00~14:40講義『精神分析入門、治療構造論と治療者の積極性』

14:40~15:40症例検討

精神分析の入門としての治療技法やその基本的構造論などを解説します。フロイトから、現代クライン派までのその理論的変遷や、実践技法の変化について解説します。

2020/2

木部 則雄

先生

(こども・思春期メンタルクリニック、白百合女子大学教授)

10:00~12:20講義『児童の病理』

13:20~14:40講義『タスティンのケース』

14:40~15:40症例検討

子どもの心的発達はエディプス・コンプレックス、早期エディプス状況などに総括されているが、その病的な発達に関する構造体についての知見は十分に周知されているとは言い難い。本講義では、子どもの病理的に組織化された心的世界について論じる。

2020/3

浅田 護先生

(浅田心療クリニック院長)

10:00~12:20講義『治療構造論 自由連想法など』

13:20~15:40講義『フロイト―自己愛、悲哀とメランコリー』

午前は、「治療構造」「自由連想」という、精神分析における治療者患者間の交流を抱える容器としての外的設定、内的設定について、午後は、フロイトの成熟の時期に当たる1910年代の二大著作である「自己愛入門」と「悲哀とメランコリー」について講義したい。

開催場所  広島市精神保健福祉センター

 

 

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